<第91回> 黄朽葉(きくちば)

11月も最終週になり、しっとりとした秋の深まりを感じる毎日。伝統色の中にもこの季節ならではのものがあります。
朽葉色(くちばいろ)。平安時代から用いられている歴史ある色名です。
季節が移ろい草花が枯れゆく中にも美しさを見いだした日本人の美意識。黄朽葉、赤朽葉、青朽葉、濃朽葉、薄朽葉など、ひとくちに朽葉色といってもさまざまです。

なかでも銀杏が色づいた黄朽葉はよく目にするなじみ深い色。写真はこの時期どうしても撮影したかった大阪・御堂筋の銀杏です。日が陰っているのでパキッとは写っていませんが、少しでも秋の色を感じていただけたら…と思っています。

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colorsmotoko | 色の名前 | 23:53 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

<第81回> 海老茶のロングカーディガン

カラー診断のときは黒を身につけることが圧倒的に多い私ですが(註1)、黒の気分じゃないときだってたまにはあります。ごくたまーにですけどね。
そんなときの強い味方になってくれそうなカーディガン、紫がかった茶色。茶色は見る人に安心感を与える色です。

「海老茶(エビチャ)」というのは江戸時代からある伝統色名。もともとは「葡萄茶」という字でした。かつては葡萄をエビと読んでいたんですね。ですから紫系の深みのある色になります。
で、葡萄のことをエビとはいわなくなり海老という字が当てられ、明治時代の女学生の袴の色として大流行。「海老茶」として現在に至るというわけです。

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colorsmotoko | 色の名前 | 19:10 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

<第77回> これって刈安?


近くの土手に刈安(註1)らしきものが群生している。
ススキに似ているけど、葉を触っても切れる感じがしない…。
これって刈安?

というわけで、早速、“天然色工房手染メ屋”さん(註2)に写真をメールで送り、確認していただきました。
決して急がないから…と申し上げたのですが、手染メ屋さんは律儀な方です。速攻でご返信いただいたのでご紹介しましょう!

手染メ屋さんの見解では、画像を見ただけではなんともいえないと前置きしつつも、どうも花の部分を見る限りではカリヤスっぽいとのこと。
「背丈がススキほどでなく(そうです、それほど大きくない)、
でも小さすぎるわけでもなく(確かに、小さすぎるってこともない)、
草が根元だけからではなく茎の途中からも出ているけど(出てる、出てる)、
パッと見がススキで草にガラス繊維がなければ
多分カリヤスだと思いますよ(おお!)」
これだけ自然発生的に群生していれば、相当染められるんじゃないの?
刈安といえば近江・伊吹山があまりにも有名だけど、塩屋の刈安とか言われないかな。ワクワク。

そして、手染メ屋さんからのメッセージはこう続きました。
「もしカリヤスでなかったとしても、あの手のイネ科の植物はだいたい黄色に染まるらしいです。
是非また染めてみてくださいね」
自分で染める、刈安染め!いやー、その発想はなかったわぁ。
でもおもしろそう!染色するには媒染に使う明礬を用意しなければ。
刈安って確か、葉で染めるんだよね。染める物と同量の刈安が必要だと思うんだけど…。

あぁ、土手を見渡すと全てが刈安に見えてきたわ!

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colorsmotoko | 色の名前 | 01:45 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |

<第58回> 櫨紅葉(はじもみじ)

WABカラースクールの季刊紙の取材で、京都にある“天然色工房 手染メ屋”に伺いました。

京都には伝統的な手法を大切にしながら、その技術を現代的なアイテムに活かして物作りをされている職人さんがたくさんいらっしゃるようです。“天然色工房 手染メ屋”の店主・青木さんもその一人。Tシャツやバンダナなど、身近なアイテムを伝統的な染色方法や手染めにこだわって染色されています。草木染めならではの柔らかな色合いが美しい。色の出し方も黄檗色(きはだいろ)・鴇色(ときいろ)・代赭色(たいしゃいろ)・縹色(はなだいろ)等々…伝統色名のオンパレードです。


今回取材させていただいたのは、京都ものづくり塾との共同企画【伝統文様と色彩のワークショップ 2007…かさねの色目〜『櫨紅葉』染め…】。
京都ものづくり塾のHPによると、「幾千もあるといわれる日本の伝統色。四季折々の変化を通して、培ってきた日本人の繊細な感性の現れといえるでしょう。でも、私たちの身近にあるようで、意外と知らないもの。毎回、伝統色と素材に焦点をあて、その伝統色に関するお話と染め体験を通して、伝統色を深く識る場を提供します」とのことです。
伝統色…色彩検定の試験のときに必死で覚えましたねぇ。微妙な色の差が自然光の下でないと判別できないので、毎朝起きるなりテキストの伝統色名のページを開き、色をしっかりと目に焼き付けました。覚えている最中には試験が終わったらキレイさっぱり忘れてしまうんだろうと思っていましたが、その詩的で美しい色名には心惹かれるものがあり、その後も図書館に通ってはせっせと文献を読みあさる日々。
このワークショップでは必死になって覚えた知識がリアルに感じられるんじゃないかと期待しつつお話を伺いました(写真はワークショップの様子です)。


ワークショップの9月のテーマは『かさねの色目』。深みのある赤・蘇芳色(すおういろ)を表に青みの強い鮮やかな黄・刈安色(かりやすいろ)を裏にかさねる、秋の色目『櫨紅葉(はじもみじ)』を実際に染色。

初秋の雰囲気を色で味わうとはさすが京都、雅な世界です。

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colorsmotoko | 色の名前 | 23:12 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |

<第57回> 花の色図鑑

今日はマジメに色名の話。

先日図書館で借りた『花の色図鑑』という本(註1)。
花の名前が色名になっているものを集めているのですが、「和・洋・中」それぞれ紹介されていて、日本だけでなく西洋や中国で、いつどのように使われるようになったか…ということがまとめられており大変興味深い。
では、その中から私が気になった色を少しだけご紹介しますね。

和・洋・中いずれにも存在する色名…というのは意外に少なくて、まず、草色(和)・グラスグリーン(洋)・草緑(中)。

この中ではグラスグリーン(中央)が一番暗い色で、CMYK(註2)の値ではかなりK(ブラック)が含まれています。

また日本の若葉色(やわらかい黄緑)に相当するのは、西洋にはリーフグリーン(つよい黄緑)、中国は芽緑(あざやかな黄緑)があります。

中国の芽緑(右)は何か特定の植物を指すのではなく、あらゆる植物の芽吹く色、生命の誕生を象徴する色だそうです。芽緑は黄みが強く鮮やかでイキイキと感じますね。

そして、橙色(和)、オレンジ(洋)、橘紅(中)。

この三色はCMYKの値は非常に近い。同じ柑橘系の実からつけられた名前、そりゃ似ていて当然なんですけど。

さらに、日本の菫色にニアイコールなのが、西洋のバイオレットと中国の羅蘭紫。

全てスミレ・ビオラの花の名前ですが、中国の羅蘭紫(右)はわずかにY(イエロー)が入っています。微妙な色合いですね。

さて、この本から私なりに感じた日本の色名の特徴はというと、朽葉色・枯草色などの、秋から冬を思わせる、枯れた味わいを表現する色名が多いということ。とくに朽葉色は赤朽葉・黄朽葉・青朽葉など「朽葉四十八色」といわれるほどのバリエーションがあるそうですよ。
四季の移ろいに人の世の無常を感じ、それを表す色にも詩的な名前をつけたのは、平安時代から続く「もののあわれ」の美学が色濃く反映されているようです。

これからの季節、日本の伝統的な侘び・寂びの世界に色を通してたくさん出会えるかと思うと楽しみですね。

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colorsmotoko | 色の名前 | 09:42 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

<第21回> 藍 JAPAN BLUE

藍染めの浴衣地。藍色よりほんの少しだけ黄みの入った縹色(はなだいろ)。

明治初期に来日したイギリス人の科学者が藍染めの着物を身につけた多くの日本人を見、その美しい色を賞賛したことから日本の藍はジャパンブルーと呼ばれるようになったそうです。アメリカでは安藤広重の浮世絵にちなんでヒロシゲブルーというとか。日本の青の美しさは広く世界に知られています。

図書館で借りた『日本の色』という本によると、藍染の色は薄い方から浅葱(あさぎ)、縹、藍、紺と呼ぶのが一般的だそうです。他にも瓶覗(かめのぞき)、藍白(あいじろ)、納戸(なんど)、茄子紺(なすこん)など、藍に関する色名はたくさん存在します。言葉の響きがどれもが美しいですよね。

そんな日本の豊かな文化を身に纏う幸せ…。
「和」がマイブームの今年、自分で浴衣が着られるようになれば、浴衣でお出かけする機会もグッと増えるはず!
で、昨日は着付けのお稽古・浴衣編。半幅帯の締め方(文庫結び・割り角出し・貝の口)を教わりました。

「浴衣は簡単だから一日のお稽古で十分着られるようになるわよ〜」と先生は軽〜くおっしゃっていたのですが、私が不器用だからかどうも要領を得ない。これは自主トレしなくちゃ!と思い、早速、浴衣の着付けを練習してみました。
ラッキーなことに今日は朝からとっても涼しかったけど、浴衣を着付けると途端に汗だくに。ここでまず思いやられる。
まずは文庫結びに挑戦…全然わからない。お稽古の最中からそんな気がしてた。
気を取り直して割り角出し…同じく完成しない。悲しい。本当に皆さん、これで着られるようになるの?
最後の希望を持って貝の口。これだけはなんとか形になりました。ほっ(註1)。


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colorsmotoko | 色の名前 | 13:39 | comments(4) | trackbacks(0) | - | - |
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